立木義浩 写真集
『七つの真実にまさるひとつのきれいな嘘を』
立木義浩の最新スナップ写真集。立木が、コロナ禍のときも含めここ数年間、東京都内を中心に日本国内のさまざまな場所で撮りためたスナップ写真の中から94点を選んで掲載しています。従来の写真集はモノクロ中心でしたが、今回はカラーとモノクロの両方が楽しめ、それに、本人のインタビューも16頁にわたり掲載されています。
写真集を作るときの写真セレクト法には色々とありますが、本書の写真セレクト方法は少し変っています。写真を選ぶ段階で、(編者)という立場の方に登場してもらうという試みをしてみました。
まず、新作スナップ群1000枚を6組の(編者)に手渡し、各自が16頁ずつ選び、構成し、タイトルまで付けてしまうという、今までにないような趣向がなされています。このような試みは、もちろん立木にとっても初めてです。(編者)は10代~50代で、高校生、大学生、写真集専門古書店の店主、写真専門誌代表、デザイナーと職業も多岐にわたります。何の制約もつけず6人が自由に選び、掲載もモノクロ、カラーでも自由としました。
そんな中で、選ばれた写真で重複したのが1枚のみということも興味深いが、それは6人が組んだ16頁ずつを一見するとわかってきます。一人の写真家が撮った写真かと驚くくらいテイストの広がりがあるからです。組まれた写真には編者がタイトルも付けています。これも一人の写真家の写真集を楽しむ上での新体験と言えるかもしれません。
本写真集は、立木義浩のスナップ写真を堪能できるだけでなく、「写真を選ぶことの面白さ」を追体験できるような変った一冊でもあるのです。
(編者)中嶋琉平、近田拓郎、飯塚ヒデミ、黒﨑由衣、TEAM OBAKE、町口 景。(インタビュー)川田洋平。
デザイン/町口 景 編集/川田洋平。
著者プロフィール
立木義浩
たつき・よしひろ/1937年生まれ、徳島県出身。1958年、デザイナー・堀内誠一らによる広告制作会社「アド・センター」設立時にカメラマンとして参画。1969年、独立。以降は雑誌・広告を中心に、ファッション、ポートレート、ヌード、芸能、ドキュメンタリーなど、多岐にわたる分野の一線で活躍。著書および展覧会多数。
購入方法
全国の書店、ネット書店で取扱い中。
製品情報
価格/2,970円(本体2,700円+税)
ISBN 978-4-9910633-3-6
判型/B5判、182×257㎜
仕様、頁数/並製、126頁